「歯周病は本当に治るのだろうか?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
歯周病は自覚症状の乏しいうちに進行し、やがて歯を脱落させる恐ろしい病気です。
そこで、本コラムでは歯周病が治るのかをわかりやすく解説し、具体的な治療法について紹介します。
歯周病についての正しい知識を身につけることで、歯周病の早期発見や早期治療に役立てていただければ幸いです。
歯周病は治るのか
歯周病は早期の段階で治療を開始できれば治る病気です。
しかし、中等度以上に進行してしまった場合は、完全に元の状態には戻りません。
また、歯周病菌を口腔内から根絶することはできないため、炎症や出血などの歯周病の症状が落ち着いた状態を「治った」と表現することもあります。
歯周病の初期段階で、歯ぐきにのみ炎症が生じている「歯肉炎」の状態ならば、1~3ヶ月ほどの治療で改善が見込めます。
一方、歯周病が中等度以上に進行し、歯の動揺や歯ぐきが下がるなどの症状が見られる場合、3ヶ月以上の治療期間が必要です。
歯周病が進行していればしているほど、治療にかかる期間は長くなります。そのため、歯周病は早期発見・早期治療が重要となります。
歯周病について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
歯周病の症状とは?セルフチェックリストと危険性
歯周病の治療法
当院で行っている歯周病の治療は以下の通りです。
・歯磨き指導
・「スケーリング」と「ルートプレーニング」
・抗生物質の処方
・外科治療
歯周病は歯垢や歯石内に潜む細菌が原因で起こる病気です。
このため、適切な歯磨きを習慣にすることで予防が可能となります。
当院では、患者さま一人一人の状態に合わせて、歯ブラシや歯磨き粉の選び方、効果的な使い方について丁寧にアドバイスしています。また、歯磨きだけでは取り除けない歯垢や歯石については、専門の器具を使った「スケーリング」でしっかりと除去します。その後、「ルートプレーニング」という処置で歯の表面を滑らかにし、歯垢が再び付着しにくい状態を作ります。
さらに、歯ぐきの痛みや出血、化膿といった症状がある場合には、症状を和らげ、歯周病菌の増殖を抑えるために抗生物質の内服を推奨しています。
歯周病が進行すると、歯周ポケットが形成され、その中に歯垢や歯石が溜まるようになります。こうした歯垢や歯石は、一度溜まってしまうと自分で取り除くのが難しくなります。
歯ぐきの腫れや出血など、歯周病の症状が見られる場合は、早めに歯科医院を受診して適切な治療を受けましょう。早期対応が、症状の悪化を防ぐ鍵となります。
Q1:歯周病を放置するとどうなりますか?
A1:歯が脱落し、全身の健康状態にも悪影響を及ぼします。歯周病は糖尿病や誤嚥性肺炎などの命にかかわる病気のリスクも高めるため、必ず歯科医院で適切な治療を受けましょう。
Q2:歯周病は薬だけで治りますか?
A2:いいえ、歯周病は薬だけで治すことはできません。歯周病で重要なのは、プラークコントロールです。抗生物質は歯周病菌の数を減らすための補助的な治療として用いられます。