「装置が目立たない裏側矯正を検討しているけど、デメリットはある?」 「装置の装着部分以外に、表側矯正との違いはある?」
ワイヤー矯正は、「表側(唇側)」「裏側(舌側)」の2つに大きく分かれます。裏側矯正は装置が見えにくいことが大きなメリットですが、そのほかの面でデメリットが存在します。
デメリットを理解したうえで、それでも 『装置が見えない』 という大きなメリットを重視する方にとっては、非常に価値のある治療法です。
本コラムでは表側矯正と裏側矯正を比較し、裏側矯正のデメリットについて詳しく解説します。矯正方法にお悩みの方は、ぜひ治療選びのご参考にしてください。
表側矯正と裏側矯正の違い
表側矯正(唇側矯正)と裏側矯正(舌側矯正)の最大の違いは、矯正装置を装着する位置です。
表側矯正は歯の前面に装置を取りつけるのに対し、裏側矯正では歯の裏側(舌側)に装置を装着します。そのため、裏側矯正は治療中の見た目に配慮したい方に適しています。
ただし、表側矯正と比べて裏側矯正では歯科医師により高い技術が求められます。
裏側矯正に対応できる歯科医院は限られており、費用も高額になりがちです。
また、通院頻度に大きな差はありませんが、治療期間が長くかかる傾向にあります。
費用の違い
一般的に、全体矯正では表側矯正が60~130万円程度であるのに対し、裏側矯正は100~170万円程度が相場です。全体矯正ほどの大きな差はないものの、部分矯正でも表側矯正では30~60万円程度、裏側矯正では40~70万円程度が相場であり、裏側矯正のほうが費用は高額になる傾向にあります。
治療期間の違い
歯の裏側に矯正装置を取りつける場合、表側矯正よりも視野が限られるため、繊細な調整が難しくなります。そのため、症例によっては3~6ヶ月ほど長くかかる場合があります。
矯正治療をスムーズに進めるためには、治療中の見た目だけでなく、費用や矯正治療中の快適さなどのバランスまで考慮したうえで、ご自身に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
裏側矯正のデメリット
裏側矯正は見た目を気にせずに治療を進められますが、以下のようなデメリットも存在します。
表側矯正よりも治療費が高額になる
裏側矯正では表側矯正よりも高い技術が必要になるため、費用負担が大きくなる場合があります。
表側矯正よりも治療期間が長引く
装置が見えにくい分、繊細な装置の調整が求められます。症例によっては、表側矯正よりも治療期間が長引く傾向にあります。
発音や食事などに影響が出やすい
舌側に装置があるため、特に「サ行」「タ行」「ラ行」の発音が不明瞭になりやすいです。多くの患者さまは2〜4週間で慣れますが、明瞭な発音が必要な職業の方は慎重な検討が必要です。
また、食事の際は装置に食べ物が詰まりやすく、繊維質の多い野菜や粘着性の高い食品は避けることをおすすめします。
歯磨きがしづらい
歯の裏側はもともと磨きにくい部位ですが、装置があることでさらに清掃が困難になります。通常の歯ブラシだけでは不十分なため、タフトブラシ、歯間ブラシ、ジェットウォッシャーなどの補助清掃器具の併用が必須です。
裏側矯正は高度な技術を要する治療法であるため、治療結果は歯科医師の経験や技量に大きく左右されます。信頼できる歯科医院でカウンセリングを受け、自分に合った治療方法で歯並びや噛み合わせを改善しましょう。
Q1:裏側矯正の種類を教えてください。
A1:フルリンガル矯正とハーフリンガル矯正があります。フルリンガル矯正では上下ともに裏側矯正です。ハーフリンガル矯正は上の歯を裏側矯正で、下の歯を表側矯正で行う治療法で、コストを抑えつつ、見た目を気にせずに治療を進められるというメリットがあります。
Q2:裏側矯正ができないことはありますか?
A2:はい、極端に舌が大きい方や噛み合わせが深い方には、裏側矯正はおすすめできません。